祖父は7人兄弟だった。 祖父の一番下の弟は祖父の息子(私の父親)と年齢が近いせいもあって昔から仲が良かったという。 年齢が近いおじさん。 おじさんというものが、えらく歳をとった人間にしか与えられない称号だと思っていた子供時代に、なんとなく奇妙な関係に思えたりした。 おじさんが体を壊す前まで、父親と楽しくお酒を飲んでいたことを思い出す。 ある日、お酒に酔ったおじさんは得意げに私に足の親指を見せてきた。 私はギョッとして言葉に詰まった。 おじさんの足の親指の爪がないのでる。 爪のない親指は、和尚さんの頭のようにツルツルで異様に光っていた。 「痛くないの?」と聞いた記憶があ
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